テキストサイズ

放課後は図書室で

第12章 サボりの代償

慌てて言い訳をしようとして、完全に声が上擦ってしまって、動揺した。


「嬉しいから、文字通りに受け取っておくよ。
…どこかいい所考えておくから、あとはメールか電話をするね。」


先輩はそんな私を見て、にっこり笑顔になると嬉しそうにそう言った。


…心の中では文字通りの意味だけど、そう受け取られるのはものすごく恥ずかしい。

それでも先輩の笑顔につられて、私も照れながら笑顔を返した。


「前も言ったけど、成瀬さんは笑顔の方がいいよ。」


私の顔を見て、先輩はいつもの甘い声で言うと、頭を撫でた。

その心地よさにとろけそうに、そしてその手にしがみつきたくなる。

でもそんなことできる訳なくて、そんな思考を追いやった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ