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放課後は図書室で

第12章 サボりの代償

「もう少し一緒にいたいけど、デートの時まで待ってるよ。
今日はこのまま送っていくね。」


先輩は立ち上がって言うと、手を差し出した。

その手は、また手を繋ごうと差し出されていたものだけど、私は先輩の手をとる勇気はなかった。


もちろん、また手を繋ぎたかったけど…。


「今日は遅くないので、ここで大丈夫です。先輩も、駅に戻って帰った方が、早く帰れると思うので…。」


ホントは先輩が手を取って握ってくれないかと期待しながら、そんなことが言えずに正反対のことを言ってしまう。


なんか、素直じゃなくて、可愛くない…。


この恋にまっすぐ向き合えない自分に改めて気付かされた。

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