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放課後は図書室で

第12章 サボりの代償

「俺は、成瀬さんを誘いたかったし、一緒に出かけたかった。でも、突然じゃ、誘えないだろ?
口実を見つけて、しかもその口実だと断り辛いかなって思って、ちょっと嬉しかったのに。
…俺、こんなことバラしたら、カッコ悪いじゃん。」


先輩はいつもの優しい、甘い口調で言った。

先輩が、私を…?

完全に混乱していると、


「こんなこともう言わないよ。…言わせるなよ。」


と、先輩は楽しそうに付け加えてまた歩き始めた。


そこはもう家のすぐ近くで、その後すぐに先輩と別れた。

別れ際、送ってもらったお礼を言うと、先輩は


「じゃ、また後でね。」


と言って手を振った。

先輩が少し先の角を曲がるまで先輩の後姿を見ていると、曲がるときにチラッとこっちを見て、また手を振ってくれた。

私はそんな先輩の姿に嬉しくなると、にやけながら家に帰った。

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