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放課後は図書室で

第13章 ドキドキのお出かけ

「これ、暖かいよ。」


先輩は急にさっきの紙袋を私の膝の上に載せた。


「これは…?」


何がなんだかわからなくなって、先輩を見上げた。

これは、誰かにあげるはずのプレゼントで、さっき買ったばかりなのに…。


「これが可愛くて、成瀬さんにいちばん似合うと思うよ。」


先輩は言いながらラッピングを外して中身を出し始めた。


え?…それってどういう意味?


「でもこれは…。」


先輩の顔を見ると、先輩はにっこり笑って、さっき店員さんがしてくれたようにマフラーを巻いてくれた。


「ほら、やっぱり似合う。…もしかして、気に入らなかった?」


先輩はニコニコしながら私を見ていて、思わず混乱した頭を横に振った。

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