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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

今回の誘いは、「お詫び」のはずだった。だから、先輩は私を誘いたい訳じゃないと思っていた。

だからこそ、2回目のお誘いは、別の意味となるわけで…。


期待するなと言われても、先輩にとっての「特別」を期待をしてしまう。


現実を考えたら、先輩の取り巻きのファン達を考えたら…。

それは叶わないことなのに……。


「成瀬さんが、安心して出掛けられるところでいいんだよ?それとも、やっぱり口実を探さないとダメかな?」


答えにならない答えしかしなかった私に、最後は残念そうな口振りで先輩は言った。


…そういう意味じゃない。


私は、目の前の現実があるのに、自分の気持ちが押さえられなくなるのが、いちばん怖い。

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