テキストサイズ

放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

「そういう意味じゃ…。
顔には、書いてないんです。」


慌てて言った言い訳が、ホントによくわからない言い訳で…。

素直に、行きたいって言えない自分に思わずため息をついた。


「成瀬さんが思っていることを文字で見られたら、ホントに嬉しいんだけど…。
それなら、次のデートはオッケーでいいよね?」


先輩は笑顔で優しい口振りだったけど、イエス以外の答えを言わせないような雰囲気で言った。


「………は…い。」


勇気を出して、蚊の鳴くような声で、…言ってしまった。


「ありがとう。約束だよ?」


先輩は満面の笑みで私の頭をくしゃくしゃと撫でると、小指を立てた手を私の目の前に出した。

それにそっと自分の指を絡めると、先輩との次の約束ができたことが嬉しくて、笑顔で見つめる先輩に、笑顔を返した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ