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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

そんな先輩の言葉が嬉しくて、にやけそうになるのを堪えながら、そっと頷いてそのまま顔を隠すように俯いた。


「じゃ、行こう!」


先輩はそう言うと、握った手に少しだけ力を入れて歩き出した。
繋いだ手が離れないように、急いで後を追う…。


どこに行くんだろう…?


口にできない質問が頭の中を駆け巡って、心臓が高鳴る。
それは秋の夕方の風をまともに頬に受けても、落ち着くことはなかった。


「さすがに夕方になると寒いね。…すぐに乗れるといいんだけど。」


突然立ち止まってそう言った先輩の視線の先にあったのは…。



観覧車だった。

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