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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

太陽が高い昼間でもなく、夜景が楽しめる夜でもない微妙な時間帯だったせいか、観覧車に乗る列はさほど長くなくて、すぐに乗り口近くまで来た。


「あまり混んでなくてよかったね。
…本当は夜景の方がデートっぽくていいんだろうけど。」


悪戯っぽく笑いながら先輩は言ったけど、先輩と二人っきりで乗ることに緊張しまくりの私は、まともに返事ができなかった。


「…天気がいいとこの辺りの景色が一望できるみたいだよ。夕方でもきれいに見えるかな?
やっぱり夜景の方がきれいかな?
…そういうのは、もうちょっと大人になってからのお楽しみか…。」


緊張していることをお見通しなのか、先輩が言った。

これから見る景色を想像すると、気分が高鳴った。


「きっと、夕方も素敵な景色が見えると思いますよ。」

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