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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

僅かな時間しか見られない黄昏時の街並みも、きっと綺麗で素敵だと思う。


先輩の顔を見ると、夕日の光を受けて少しオレンジ色の笑顔があった。


「そうだね。…それじゃ、確かめに行かないと。」


先輩はそう言うと私の手を取って前へ進み出た。

ふと前を見ると、もう目の前に乗り口が来ていて、私達が乗る夕日を映したようなオレンジの観覧車が口を開いていた。


「動いているので、足元にお気をつけ下さい。」


「先に乗って。気を付けてね。」


係りのお兄さんの声に導かれるように、先輩は手を取って私を先に乗せてくれた。

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