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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

「ありがとうございます。」


続いて乗ってきた先輩にそっとお礼を言って座ると、観覧車のドアが閉まって束の間の二人っきりの空間になった。


その時、先輩が私の隣に座って、観覧車が少し傾いて大きく揺れた。


「…やっ!」


「大丈夫?…怖い?」


思わず小さく悲鳴をあげてしまった私に、先輩は心配そうに顔を覗きこんだ。

私は先輩に首を振ったけど…。


4人乗りの観覧車なのに、二人きりで同じ側に乗ったらバランスが悪い…。


「ちょっと傾くんだけど、やっぱりデートで乗るなら隣に座らないとね。」


私を見た先輩は、そう言って悪戯っぽく笑った。

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