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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

二人で乗るならバランス良く向き合ってだと、当然のように思っていたけど。

…まさか、右腕に先輩の感触を感じながら、ちょっとバランスの悪い観覧車に乗るとは思わなかった。


「そんな驚いた顔してるけどさ、こんな風に傾いた観覧車、いっぱいあるよ。後で見てみなよ。
…ほら、そんなことより、せっかくの景色を見よう。」


にっこり笑った先輩は、目の前を指差した。


バランスの悪い観覧車は目の前の座席が少し高くて、私は背伸びをしないと景色が見られなかった。

そっと身体を伸ばして見ると、目の前に夕焼け色の街並みが広がっていた。


「うわぁ…、すごく、綺麗…。」

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