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放課後は図書室で

第14章 いろんなきもち

観覧車のドアが開くと、先輩は先に軽やかに降りて、私の手を取って降ろしてくれた。


「ありがとうございます。」


その身のこなしに胸が踊ったのを隠すように、そっとお礼を言った。

先輩はにっこり笑って、手を繋いだままゆっくり歩き出した。


少し歩いてから観覧車を見上げると、確かに少し傾いているのが多くて、先輩と顔を見合わせ、大笑いをした。


「さっきまでの自分は棚に上げて言うけどさ…。
あれだけたくさんの中でカップルがイチャイチャしてると思うと、なんか笑えるね。」


悪戯っぽく笑う先輩に、思わず吹き出して笑った。

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