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放課後は図書室で

第15章 それでも好きな場所に

「…それならいいんだけどさ。」


紗耶香がそう言うと、また戻ってきた平穏な時間にホッとしたのか、みんなは本に目を落とした。


図書室は、先輩が帰ったせいか、少しずつ人が少なくなっていて、静かな空間になっていた。


けれど…。

私はさっきの紗耶香の言葉が心に影を落としていて、本に目を落としたけれど、その内容には全く集中できなかった。


そろそろ当番をサボるのも無理が出てきたけれど、あからさまにまた紗耶香に代わってもらうのも申し訳ない。

だからと言って、さっきのこともあるし、先輩との当番をやって、平穏に終わるとも思えない…。


みんなに気付かれないようにそっとため息をついた。

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