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放課後は図書室で

第15章 それでも好きな場所に

その後は、集中できずになかなか内容が頭に入ってこない本をもて余しているうちに、閉館の時間になってしまった。

せっかく久しぶりに来た図書室だったのに、前のように楽しい時間が過ごせなかったことがなんだかとても寂しかった。


「なんか、4人で帰るのも久しぶりだよね!」


まだそれほど遅い時間ではないのに、すっかり暗くなった道のりは、私にとって気が重かった。

でも、莉沙の嬉しそうな明るい声と、遥香と紗耶香の笑顔を悲しませないため、なるべく笑顔を作った。


駅までの道のりは、莉沙を筆頭に、さっきの本についての話題で盛り上がっていたら思うより早く着いて、ホッとしながら反対方向の莉沙と遥香に手を振った。

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