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放課後は図書室で

第15章 それでも好きな場所に

「ま、それもそうだね。でもそうなると、面倒だからいいや。
私が創作する世界で、幸せになっちゃうもん。」


「出た、…腐女子発言!
でも、一番紗耶香っぽいかも。」


私達は、お互いの顔を見合わせ、また笑った。


久し振りの友達との時間が楽しくて。

先輩への気持ちも少しずつ大きくなっていることには気付いていたけど、それよりも、また平穏な日々が戻ってきて欲しいと改めて思った。


「そうそう、今度の当番、嫌だったら代わるから。無理しなくてもいいよ?」


紗耶香が電車を降りる直前、心配そうにそっと声をかけてくれた。


「ありがとう。…大丈夫だと思うけど、考えておくね。」


さりげない紗耶香の優しさが嬉しくて笑顔で返すと、紗耶香は安心したように手を振って電車を降りて行った。

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