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放課後は図書室で

第15章 それでも好きな場所に

「なんか楽しそうだね。いいことあった?」


紗耶香と別れた後ひとりになっても、久し振りの友達との時間とみんなの変わらない優しさが嬉しくて、考え事をしながら窓の外を見ていた。

紗耶香が降りた次の駅を電車が出た頃、耳元で聞き覚えのある声がして慌てて振り返ると、そこには先輩がいた。


「あっ、…お疲れさまです。」


まるでいつも側にいるかのようにふと現れる先輩に、胸が踊るのを感じながらそっと挨拶を返した。


「マフラー、似合うね。気に入ってくれたのかな?」

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