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放課後は図書室で

第16章 張り詰めた空気

私はまた本に目を落として…。


集中、集中…。


ざわつく心を静めるようにそっと目を閉じてこっそり深呼吸をした。


活字を追いかけ始めると、先輩が戻ってきたのも気付かないほどにいつの間にか本の世界に突入していた。

何度か本の貸し出しの対応をした他は、本の世界にいたせいで、先輩も私から少し離れた所にいたし話もせずに時間が過ぎていた。


そもそも、先輩が当番の日は図書室の人口密度が高くなるけれど、そこにいる人たちの中で本を読む人は少ない。

だから、図書委員の仕事も必然的に少なくなる。…騒ぎさえ起きなければ、だけど。

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