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放課後は図書室で

第16章 張り詰めた空気

「さて、そろそろお片づけの準備をしましょうか…」


秋野先生が声をかけてくれて、本から頭を上げると、外は既にもう暗くなりかけていた。

図書室内も最初の頃より明らかに人が少なくなっていて、今日は何事も無く過ごせたことに安堵した。


私は急いで読みかけの本にしおり代わりの小さな紙を挟んで閉じると、先輩も広げていた英語の教科書とノートを閉じていた。


戸締りの確認をしていたら、紗耶香達も帰りの準備をして私に近付いてきた。


「私達、先に出て待ってるよ。」


莉沙が外の方を指差しながら、私にこっそり声を掛けた。

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