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放課後は図書室で

第16章 張り詰めた空気

考えてみると、当番で先輩と一緒になった時には、帰りも先輩と一緒になることが多い。

それを思うと、今日は最後まで先輩と一緒にならない方がいいような気がしていた。


「ごめん、今日は本屋に寄ってから帰りたいんだ。先に帰っていていいよ。」


「そっか。了解。じゃ、私達、先に行くね。」


いつもと別ルートで帰るための口実を、そっと手を合わせて伝えると、莉沙はにこっと笑って頷いた。


「じゃあね。また明日。」


「バイバイ。」


紗耶香や遥香も口々に言うと、手を振りながら帰っていった。

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