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放課後は図書室で

第16章 張り詰めた空気

3人を見送ると、誰にも気付かれないように小さくため息をついた。


さて。次は、さっさとここを抜け出して本屋経由で帰ろう。

誰かに見つかる前に…。今日は隣の駅から帰ろう。


先輩のファン達に、これ以上何か言われたくない。

今日は誰かに何か言われる口実を作る前に、さっさと帰ってしまいたかった。


「今日はありがとう。ほとんど仕事やってもらっちゃったね。」


戸締りの確認をしてカウンターに戻ると、先輩が声を掛けてきた。


「いえ、大丈夫です。」


「最後の戸締りして、鍵返して帰るから、これでいいよ。
友達、待ってるでしょ?」

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