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放課後は図書室で

第17章 約束のデート

背伸びをしなくても何とか人の間から見えるようになって。


でも。


右側の後ろが先輩に触れていて、しかも先輩に引き寄せられた時のまま、先輩の左手がそっと腰にかかったままで…。


もう、目の前の光景なんかどうでも良くなるくらい、ドキドキする。


いくら昼間でも、冬の屋外だから寒いはずなのに、身体の右側から熱くなって、間違いなく顔が火照っている気がした。


――パチパチパチ


意識が完全に右後ろに集中していたけれど、まわりから一斉に拍手が聞こえて我に返った。

さっきまで楽しそうに踊っていたキャラクター達は、観客たちに笑顔を振り撒きながら大きく手を振って帰っていくところだった。

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