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その時、突然先輩が私の顎を軽く上げたので、先輩の顔がすぐ近くに来て、目が合った。


「そんな下ばっかり見てたら、楽しいの全部見逃しちゃうよ」


先輩は楽しそうな笑顔だったけど、顎が押さえられたままで顔が背けられなくて、しかも反対の腕が私を引き寄せたままで、身動きが取れなかった。


「…あ、……あの…」


目が合ったままで頭が真っ白になる。


こ、…この状況、……なに？

どうしたらいい……？


どうしたらいいかわからず、身を硬くしていると、先輩は楽しそうに笑い出して顎にかけた手を離した。


「そんな、取って喰うわけじゃないんだからさ。怯えないでよ」