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放課後は図書室で

第17章 約束のデート

「そうは言っても、成瀬さんがずっと下を向いてても楽しめないから、あまりドキドキさせるのは止めとく。
さて、次はあっちに行こう」


先輩はそう耳元で囁くと、私を引き寄せていた手を離した。

先輩を見ると、先輩はいたずらっぽく笑って、また私の手をとるとそのまま歩き始めた。


ドキドキが止まらなかったけど。

でも、先輩のさっきの「デートを楽しもう」という言葉が頭の中をこだましていて…。

さっきまでよりほんの少しだけ、先輩に近付いて歩いた。


歩いているときは、繋いだ手が私の身体から離れないくらい。

時々、すれ違う人が近くを通る時は、私の肩が先輩の腕に触れるくらい。

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