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放課後は図書室で

第2章 出会い

「図書当番来るの、ちょっと遅くなっちゃったし、悪かったなーと思いながら急いで来たら、今日の俺の相棒さんは外を眺めながら物思いにふけってるしさ」


笑顔のまま、斉藤先輩は続けた。

素敵な笑顔で言ってるんだけど、言ってることに微妙に棘があるって言うか…、そもそもサボってた訳じゃないし!


「一通り、終わりましたよ?
…テスト前でもないので、今はそんなに忙しくないんです」


言ってから、何だか言い訳じみているようで、また顔が熱くなるのを感じた。


ダメだ、なんか緊張する…!


この笑顔が、甘い声が、ただでさえ男子と話すのに慣れてないのに、なぜか私に追い討ちをかけて緊張させる。

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