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lovestory

第7章 背中

家路に向かう途中で
マーブルをリードにつなげ
歩いていると


木々の隙間から
メタリックblueの懐かしい車が
停まっていた
ドアにもたれる良樹


マーブルと可南子は
立ち止まり
息を飲んだ…マーブルは足元でじゃれつきだした。


良樹は、相変わらず
お洒落で誰が見てもかっこよく
何よりそれを自慢にしていないし
どうでもいいようだった。


車から離れる良樹は
手を挙げて可南子に近付いた



可南子は伏し目がちに

「お久しぶりね…なにかしら?」


良樹は鍵を取りだし
可南子の手を握り渡した。


「かな…ちゃんと話をしなくてごめんね。鍵だけは君に手渡しておきたかったんだ…あ…犬飼ったの?」


久々に触れる指先に
ときめいた…
良樹の傍に居ると私は、自分を綺麗にみせようとする…だから
何も言えなかった。


だから…わたし



風が吹き
少し身体が前にでた可南子は…
良樹を見つめ


「私達、これで良かったのかもね
いま凄く充実してる。良樹っありがとう。でも…早く車に戻らなきゃだめよ
可愛い彼女が心配しちゃうから」



良樹は…驚いた
可南子のおどおどした言葉でわなく
はっきりとした言葉に良樹は
かたまった。


「じゃぁ、鍵わざわざありがとう。」



可南子とマーブルは、背中を向けて
マンションへと消えた。

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