トライデント
第5章 強きゆえに…
食事を済ませた三人は師のエルメスの元へ向かった。
彼は全教育指導者、この神殿の子供達の名前のリストは持っている。
エルメス「どうしたのですか?三人共。姫までこのような場所に来られるとは。」
ハーデスが一番に口を開いた。
ハーデス「先生!ペルセポネーという女子の生徒はこの神殿にいますか!?」
エルメス「!!」
エルメス「いえ、そのような名前の生徒はこの神殿にはいませんが…。」
エルメスは一瞬とまどって答えた。
ハーデス「俺は今日夕方見たんです!気配もなしに現れて、でも俺その子のこと知ってる気がして、」
エルメスは悩むハーデスに答えた。
エルメス「君は記憶にトランスしてしまったのでしょう。見えないハズの物が見えるのは記憶が蘇ろうとしているだけ。気にすることはありません。ただ、無理に思い出そうとしない事が安全です。」
ハーデス「でも……。」
エルメスはハーデスの肩を掴み励ました。
エルメス「大丈夫です。君はまだ若いし、姫やゲオルグ君もついています。そんなに思い悩む必要などありません。今日はもう部屋で休みなさい。姫、ハーデス君を部屋に連れて行ってあげてください。」
そう言うと、デイジーはハーデスを心配しながら部屋へと送っていった。
エルメス「ゲオルグ君…。」
急にエルメスの雰囲気が変わった。