トライデント
第5章 強きゆえに…
次の日から、ハーデスは元に戻り闘技場での修行もしっかり行った。
しかし、恐怖なのか、組み手は一切しなくなった。
トップクラスで名高いハーデスの名は、次第に薄まりつつあった。
「おい、ハーデス、怖じ気づいてないで俺と戦えよ!」
中にはハーデスを挑発する者さえいた。
ゲオルグ「そんなにしてほしいなら僕が相手をしてやるよ?」
ゲオルグは陰ながらハーデスを守っていた。
ハーデスはこの修行の中で記憶を取り戻すような走馬灯が流れる。
特に組み手の時にその症状が出ると気づいてからは、組み手をしなくなったのだ。