トライデント
第9章 開戦、そして…
レヴォン「悪かったな。でも、俺もお前が好きだリディア。今まで気づかないところでお前は俺のため、国のために励んでいてくれていた。恐れられるお前が民たちのために頑張ってくれてたのが俺は嬉しいんだ。」
リディアは目を潤わせてレヴォンに抱きついた。
リディア「恐れ多きことながら、リディアもレヴォン様を愛しています!」
レヴォンは優しく髪をなでた。
レヴォン「よくやってくれたな本当に。」
リディア「お願いですレヴォン様、キスを…、キスしてください!ひょっとしたら、これが最後になるかもしれない!」
泣きながら言うリディアの両腕を持ち、レヴォンはリディアのおでこに口付けをした。
そしてもう一度抱きしめ言う。
レヴォン「すまん、これで最後とかいう言い方はやめてくれ。必ず俺は勝利してやる。そのときは必ず…な!」
リディアは寂しそうな目をして、はい、とだけ答えた。
レヴォン「それに、攻める必要もない。奴らは必ず来る。こちらから出向くこともないのだ。」
レヴォンはイオが来ることを読んでいた。
レヴォン(さあ、イオ!お前はせめて俺の手で葬ってやるからな!)
リディアは表情を変えずにただ、髪の毛だけは怪しく揺らめいていた。