
トライデント
第10章 変わりゆく世界
レヴォン「ほら、行くぞ!」
レヴォンがイオに言った。
イオ「行くって?」
レヴォン「孤児院に帰ろう。」
イオ「あ、うん。…いた!」
イオはあしがすりむけていて、靴が壊れかけていた。
レヴォン「あーあー、そんな靴で走ってるから。ったく。」
レヴォンはひょいとイオをおんぶした。
イオ「あ、ありがとう。」
イオは顔を赤くしておんぶしてもらっている。
イオ「やっぱりレヴォンだよねー。」
レヴォン「なにがだ?」
イオ「ん?レヴォンは何気に優しいしやると決めたらやる男だからさ。そういうとこがいいんだとおもう。」
レヴォン「そっか、お前もいいとこあるぞ?」
イオ「へ?」
レヴォン「そうだなあ、胸がおっきくなったこととか!」
イオは慌てて背中に当たる胸を放した。
レヴォン「こ、こら!あばれんなよ!」
イオ「あ、あんたが変なこというからでしょ!?」
レヴォン「よっ!!」
レヴォンはイオが落ちないように体制を前に向けてしっかりおんぶした。
レヴォン「イオは、俺のもんだ。だから、俺がおんぶしてやる!」
イオ「レヴォン…。」
レヴォン「こういうの、好きっていうんじゃないの?」
イオはぎゅっと腕をレヴォンにかけた。
イオ「素直に愛してるっていいなさいよね。」
レヴォン「アイオスみたいに素直にはいえないんだよねー。」
イオ「ばか…。」
2人は夕暮れの孤児院を仲良く帰っていた。
相思相愛なのはイオもレヴォンも同じだった。
形は違うけれども、2人は想いあっていたのだ。
イオ「ずっと、一緒にいようね?」
レヴォン「おう、俺の相棒にふさわしいのはお前だけだよ、イオ。」
