
トライデント
第2章 不安定な神話
イオ「あなたにも使命があるのよきっと。」
「けれどイオさん、いくら修行に励んでも何にも覚醒できないんだ。」
イオ「うーん、そうだ!あんたあたしとこの世界を変えるってのはどう?」
「世界を変える?」
少年は初めての言葉に戸惑った。
イオ「あたしもさ、はぐれてしまった人がいて多分他国にいるんだ。なんとかして再会してこの戦争をなんとかしたいの。」
「というと教皇にお願いでもするのか?」
イオ「そうね、そういうのもいいわね。あんたの使命はあたしのお手伝いってことにしよう!」
「えー、そんな勝手に…。」
イオ「いいじゃん!あんたもこの戦争に対して疑問抱いてるでしょ?教皇に文句言うくらい許されるはずよ。ね、おじさん?」
「そのようなことは私には。」
元老院は困った反応をする。
「元老院さん、僕はあんたが憎い。だが教皇はもっと憎い…。」
全ては教皇の行ったこと、憎くて当然だが、孤児院で育つのもまた教皇の行ったことなのだ。
