
トライデント
第2章 不安定な神話
「そして、限界がきて僕は友達を落としてしまった。友達は目の前で殺されてしまったんだ。友達は、僕だけでも逃げるよう言ってくれたが、逃げれるはずもない。」
イオ「……。」
「僕は、なんとしても生き延びてやろうと必死になったんだ。でもそのときには意識がなくなっていて気づけばここにいた。」
イオ「どうしてあなたは無事だったの?」
「分からない、何か不思議な力が守ってくれたとしか考えられない。そして、もうぼくにはなんのために戦い、誰と戦えばいいのかも分からないんだ。」
運命とは残酷なものだった。
少年に義務づけられた運命とは一体なんなのか、元老院もイオも分からず沈黙した。
