テキストサイズ

ルーレット「00」

第7章 成就

「ううん、直兄が…俺の事好きなら…好きでい続けてくれるなら、いいよ。」


「…うん。」



嬉しすぎるリッちゃんの言葉に、上手に返事が出来なかった。

言葉が出なかった。
どう言い表せば、この幸せな気持ちが伝わるのか…思いつかなかった。



「…直兄?…オレ…男に産まれてごめん。」



リッちゃんのその言葉に、はっとした。
リッちゃんの亡くなった両親に…申し訳なさ過ぎて。


俺はリッちゃんを引き剥がし、起こし座らせて向かい合った。


リッちゃんに…
1番、言わせてはいけない言葉だ。

『産まれてごめん』


折角俺に会わせてくれて…男同士でも両想いになれたこの奇跡は…

リッちゃんを男の子に産んでくれた
リッちゃんの両親を
リッちゃんが否定しない様に

誤解を解かなくちゃ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ