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ルーレット「00」

第4章 愛し方

絆創膏の上からタオルで止血しながら、そんな事ばかり考えていた。でも、あまり遅いと心配かけちゃうし…ましてや、こんなとこ誰かに見られたらまずい。


ズキズキと痛む切り傷と心にへこたれそうになりつつ着替え、血のつくタオルを水洗いして、洗濯機に入れた。



こんなに痛くて…

オレは2度と切れない!!



「オレは大丈夫。…いま、受け入れられなくても…愛されなくてもオレは好きだから。」



鏡に映る自分に言い聞かせる事しか出来ない。

こんだけの傷で、この血の量で、この痛み。
死んで女に生まれ変わった方がいい。

オレはやっぱり…
直兄に愛される資格がない。

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