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ルーレット「00」

第5章 すれ違い

しばらくそうしてると、ドアが開き、リッちゃんがおどおどしながら入ってくる。



「…直兄…。」



ご機嫌伺に俺の名前を呼んで…もじもじする。
ぷっくり腫れたまぶたは重そうで、長い時間泣き続ければそうなるだろうな。



「おはよう、リッちゃん。すごい顔になってるけど?」


思わず笑ってしまったけど、リッちゃんは目元に手をやって顔を隠した。

その顔だって、俺がさせたんだし…見せてくれていいのに。



「あぁ、そう言えば、風呂場で鼻血出した?」



「…え?」

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