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ルーレット「00」

第6章 独立

結構強い力で、びっくりして振り返ると、涼子姉ちゃんは真剣な眼差しをしていた。



「直は知ってるの?」


「…ううん。」



俺は横に首を振りながら返事をすると、涼子姉ちゃんは大きく息を吐いて、俺の顔を覗き込んで聞いてくる。



「…何かあった?」


「…何もない。」


「りっちゃん…おかしいよ?目だって腫れぼったいし、今頃部屋の移動なんて。何もないはずないでしょ?言ってみて?私はりっちゃんの見方だよ?!」



涼子姉ちゃんは、いつも味方をしてくれる。

だから…涙が出てくる。
中3の男子のくせに、オレは…脆い。

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