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ルーレット「00」

第6章 独立

嗚咽の止まらないオレの背中を、涼子姉ちゃんは優しくさすってくれる。



「そっか、分かったよリッちゃん。荷物移すの手伝うから、ね?」



「うん…。」



嗚咽混じりのまま、移動を始める。


男だから、荷物は少ない。


小さい頃、パイロットになりたくて、飛行機が大好きで、プラモデルを集めていた。
両親との思い出はそれくらいで、中3にもなれば小さい頃物なんてそれくらいしか持ってない。


両親の事はほとんど思い出せなくて、日本の家族の方がすでに長く、思い出も沢山ある。


家族である直兄を好きになった罰がコレなら、両親をなくした報いも欲しい。

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