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ルーレット「00」

第6章 独立

一人で食べる夕食も…やっぱり美味しいとは感じられずにいた。



俺にはもう一つ思い出の品がある。


箱から出せずに…
包装紙もリボンも付いたままの…
汚れと傷の付いている誕生日プレゼント。


それは


両親が亡くなる原因のプレゼントだから。

組み立ててくれる父さんも…もう居ない。
飾る事もできず、別の箱にしまったまましまってある。


その箱を撫でながら、やっぱり寂しくて…直兄の部屋へ行った。

オレの荷物があった場所は、ぽっかりと空いて…直兄の心にも、この位の喪失感があったら良いなって。

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