君と×××。
第2章 x好奇心x
「…ねえお兄ちゃん」
私は本を読み進めるうちに
どんどん疑問がわいてきた。
「ん?」
それを知ってるであろう兄に
そのままの体勢で聞いてみた。
「この本の女の人が言ってる『イく』って
どういう意味?
この人どこにも行ってないよ?」
「えぇ……っ!?
…そっそれは…俺もまだ知らないし…」
兄は紅潮した頬を隠すように俯いた。
「お兄ちゃん、どんなの??
これ、私でも行ける?」
ぼそぼそと聞こえない兄の声は
完璧スルー。
私は兄のもとに移動し
好奇心に駆られた自分の心を制御出来ず
俯く兄の顔を覗き見るようにして
訪ねた。
「…まあ、イくことはできるけど」
私と兄の会話は噛み合っているようで
噛みあってない。
それを知らない私は
平然とした表情で爆弾を投下した。
「お兄ちゃん、私も行きたい!」