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姫凌辱【ファンタジー】

第1章 姫凌辱

「セシリア姫様! どうか、どうかセシリア姫様だけでもお逃げください!」

美しい黄金色の髪が揺れると、セシリアは風のように空中を舞い、銀色のミスリルレイピアを稲妻のように振るった。

しかし、セシリアの一閃は巨大な赤トカゲ、サラマンダーの鱗に弾かれ、傷一つつけられない。

隣国へ向かう山道にこれほどのモンスターが出現するなど、セシリアはもちろん、セシリアの従者にも思いもよらないことであった。

「みんなを見捨てるなんて……そんなことできません!」

セシリアはからだの中のありったけの力を込めて声を張り上げた。

「セシリア姫様……」

従者はみな、美しく聡明で心優しいセシリア姫様のためならなんでもする覚悟だ。

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