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アルカナの抄 時の息吹

第8章 「世界」正位置

「おまえと、共にいたい。いつまでも」
不器用な彼。だけどまっすぐな想いは伝わってくる。

「…ガロウ」
胸の奥に広がっていく、温かな気持ち。

「愛してる。マキ」
何度でも色褪せない言葉。あなたは、もう一度言ってくれるのね。大丈夫。ちゃんとわかってるわ。その一つひとつの言葉に、どんな意味を込めてるのか。

「あたしも、愛してるわ。世界中の誰よりも…ガロウ、あなたを」
向こうの世界に置いてきた、すべてをなげうってでも。あなたの側にいる。あなたへの永久の愛を誓うわ。

頬に触れた彼の手に、目を閉じる。ふっと影がかかり、やがて二人の唇が重なった。



この世界でのあたし。あなた。ヴェルテクス。

ヒト。動物。

大地に、天に息づく、あらゆる生命。

そのすべてを想う。

遥か古代から続く――色を変え、これからも続いていく時代を。


あたしは、ひしひしと感じていた。

これからこの世界で、新しく生まれゆく未来を。時の芽生えを。時の息吹を。


あたしはここで生きていく。…あなたと共に。





               完
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