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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~

第4章 ♠RoundⅢ(淫夢)♠ 

 直輝が烈しく下から突き上げる度に、女は嬌声ともとれる喘ぎ声を上げ、腰をくねらせる。鍛え抜いた逞しい身体に華奢な女を跨らせている直輝、直輝はちょうど寝台の上に座っている。両手を後方につき、自分の身体を支えるようにして座り、その上に女があられもなく大股を開いて跨っている。
 後ろにいる紗英子からは見えないが、二人がある一カ所で深く繋がり合っているのは明らかだ。
―あ。ぁ、ああっ。
 二人の情交は延々と続き、ついに終焉を迎えた。女がひときわ高い声を放ち、豊満な肢体を仰け反らせた。次いで直輝もまた最後の鋭いひと突きで女を刺し貫き、頂点へと上りつめたようだ。たとえ直接眼にはせずとも、直輝が女の胎内深くで熱い飛沫を思うがまま散らすのが紗英子にはよく判った。
 何で、あんな夢を見たのかしら。
 昨夜、夫が久しぶりにセックスしようなどと言ったからだろうか。しかし、子どもも授からないと判った今、自分にそんな願望があるとも思えなかったのに。

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