恋愛短編集
第3章 王子とメイドの戯言
「なんだ、蓋を開ければつまらないことだった。
なんでわざわざ同じ意味の言葉を二つも作ったんだか」
『日本人ってそんなとこが結構ありますから。
"猿も木から落ちる"と"弘法にも筆の誤り"とか」
「要するに言葉遊びとかなんかか」
『まあそんなところでしょう。
あとは私の個人的な意見ですが…』
「?なんだ?」
『愛の中に恋があるとはっきり言いたかったのではないですかね?
愛と恋の関係性を示したかったのだと私は思いますよ』
「…なるほどな」
『これで納得いきましたか?』
「………」
『王子。
疑問も解決したところですし、そろそろ目の前にある仕事にとり…』
「なあ」
『…はい』