恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
眠気を帯びた重いまぶたを開けると、見慣れない天井が見えた。
あれ…?
ここはどこだっけ?
少なくとも私の家ではない。
私は昨日の記憶を辿った。
…そうだ。
ここ、朗の家だ。
昨日お泊まりしたんだった…///
思い出すだけで顔が赤くなる。
そして今、自分がベッドで寝ていたことからも、あれが夢ではないことが分かる。
「あ、詩織。起きたんだね」
不意に聞こえた声の方に顔を向けると、キッチンから出てきた朗と目があった。
「朗…おはよ」
「うん、おはよう」
朗はにっこり笑って私に挨拶を返す。
その笑顔は温かくて心地好い。