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理想の男の子

第10章 崩れていく…

「秋!帰りどっか寄ってこーよ」

「いいねー おごってw」

「やだーw」

笑い合いながら秋と下校

周りの生徒も友達と喋りながら

私達を追い抜く。私達も追い抜く。

「じゃあコンビニ寄る?」

「いつもの所でいいじゃん」

秋は目を合わせてくるとそう言った

「そうだね」

いつもの所というのは




「可愛い!」

動物ショップだ

「この子可愛いね!」

「うんうん!ねぇねぇ、あっちいこ」

「うん!」

買いはしないけれど、秋と私は常連。

「あ、ペンギン」

まるで動物園並みの動物の種類

普通にはいない動物がいる

例えば、ワニやペンギン。鹿や猿。

他にも沢山居て、言い切れないほど

「買いたいね」

「ねー」

いつも秋はそう言ってくる

昔から秋は動物が好きだ

家にはハムスターと犬と猫2匹が居る

「秋の家いっぱい居るじゃん!」

「あははっ!だねー」

「いいなー」

私だって犬ぐらい買いたいなぁ

お母さんに言ってみようかな。





プルルルルッ

「あ、ごめん。席外す」

「おっけー」

秋の携帯が鳴ったようで

秋がトイレに向かう

「はぁー・・」

1人でいると考えてしまう

…まさきくんのことを

「ニャー」

猫が鳴いた

私の目の前には触れあい広場がある

そこでは自由に動物と遊べる。

私はしゃがんで猫に触れた

「気にしてくれるの?」

ふふっと笑い。喉を撫でる

「いちごっ お待たせ!」

「うん!」

触れあい広場から出ようと

小さな扉を開ける


するとさっきの猫が脱走してしまった

「え?…うそ!おいで!」

追いかけても猫のスピードが早くて

追い付けなかった。

「おいで」

一人の店員が餌を

手の平に転がしながらそう言った

猫は餌を見つけるとすぐ飛び付いた

「気を付けてくださいね」

そう言ったのはショートボブの

スポーツ系な顔をした女の子だった。

カッコいいな…

「すみません」

「私からもすみません」

秋が私をかばう。たくましいなぁ…

「いえいえ、では」

爽やかに笑顔を見せながら

猫を抱き上げる。

「秋ありがと。本当嬉しい」

「ううん じゃあ帰る?」

「そうだねー」

私達は歩き出した

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