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チェーンな2人

第1章 会ったばかりなのに

キス したいな










食事を終え
店から出た途端
彼が、手を握ってくれた






「寒いよね?」

と、彼が私の顔をのぞく

「うん」

と、私がうなずくと

私の手を握ったまま
彼のポケットに
手を入れた



あったかい…
心までもが
あったかい…
ずっと
このまま
時間が止まればイイのに…







食事が終われば
彼の宿泊先へ
移動することになっている


それは
彼の実家だ



実家へ着いてしまえば
二人きりでは
無くなってしまう…

ちょっと寂しく
…不満



とは言っても
私には門限があり
結局、すぐに帰らなければいけない時間になる…

う~ん
なんで私、高校生なの!
門限だなんて…







だんだん実家が近くなり
私の門限の時間も
近づいてくる



一緒にいられて
楽しいはずなのに
少し、もうブルー












彼の実家のドアを開け
久しぶりに会う
彼の両親に挨拶


とりあえず
荷物を置くため
彼の部屋へと
二人足を運ぶ





彼がドアを開け
私がドアを閉める


瞬間
強く抱きしめられた








「会いたかったよ
会いたかった
ずっと
会いたかったよ・・」






彼はつぶやきながら
私を
がむしゃらに
抱きしめた






あぁ
愛されてる
彼は私を愛してくれている
私だけじゃないんだ


狂おしい程愛してる



そう思うと
うれしいのに
幸せなのに
涙が溢れる


不思議だ…
幸せの涙は
苦しくない


のども、ココロも
痛みがなく
涙だけが
ポロポロとこぼれる








他に例えようのない
安堵感に支配される


好きな人だから
感じられる
この感覚に
陶酔した











そして彼は

こぼれた涙で濡れた
私のくちびるに




そっと

キスをくれた


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