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気になるアイツ

第8章 後悔

「桐野」

「藤島?お前選ばれたのか?」

教室の中に入るとすぐ、声をかけられた。

藤島、中学から高一まで同じクラスだった腐れ縁の友達だ。

すかさず近寄ってきて、ぼそっと耳元で、

「あれ、お前の妹だろ?」

視線の先は梨江子に向けられていた。

藤島は俺と梨江子の関係を知っている数少ないうちの一人である。

腐れ縁も長く続くと、事情は知れてしまう。

「ああ…久々に校内で一緒になったよ」

「ホントにお前ら接触なしだもんな…そんなものか?」

「必要ないからな、用があれば家で話せばいい。お前も余計なこと言わないでくれよ?」

「わかってるよ。今まで誰にも言ってないんだぜ?今更だろ」

「だよな、わりぃ」

俺が周りに知られたくないのを、承知してくれてるのはありがたいことだ。

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