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気になるアイツ

第9章 会いたい

待ち合わせたのはリコがいつも待ち合わせに使っているだろうと思った、繁華街の噴水の前。

帰宅時間の始まっている今、人通りは当然多かった。

「ちょっと…!やだ!」

人目を気にしてリコは抵抗した。

それを押さえつけるように俺は抱きしめた腕の力を強める。

「メイクのまま、一緒に帰ってくれるの?」

「!…それはできない、けど」

「じゃあヤダ」

「ヤダって!熱!風邪治ってないのに…」

心配してくれているのはわかっていても、もう抑えることができなかった。

「リコと一緒にいたいんだよ!」


たぶん上がった熱のせい…


抱きしめたリコの肩に顔を埋めた。

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