テキストサイズ

恋ばか

第9章 ~婚約~

驚きのあまり声を上げる。

「なんだよそれ!?」

『…本当に…知らないの?』

春架はまだ信じられないみたいで聞き返してきた。

「………うん。」

『…まじかよ…クソッ…もう時間がないのに…』

(時間がない…?)

春架が言った言葉が気にかかった俺は即座に聞き返す。

「ちょっ、春架…時間がないってなに? どういう事?」

『いや、その…えーっと…』

春架が急にしどろもどろになったのが気になる。
春架が戸惑う時は必ず嫌な事を口に出す時だけだ。

電話だけでは話がつかないと思った俺は、押し黙った春架に尋ねてみる。

「春架…今からこっちに来れる?」

『えっ? うん…大丈夫だけど…』

春架は多少驚きながらも、少しすると冷静さを取り戻した。

『今、どこにいるの?』

「えーっと…学年トップの小原亮の家なんだけど…わかる?」

亮の名前を出した瞬間、春架は驚きの声を上げた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ