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恋ばか

第9章 ~婚約~

『小原!? あの有名な小原財閥の!?』

(やっぱりこういう反応したか…)

「うん、そう。 来れる?」

春架はしばらく考えて込んだ後、ゆっくりと返事をした。

『…うん…大丈夫。 10分くらいで行けると思うから待ってて。 じゃ。』

「えっ? 10分くらいって!? ちょっ、春架!!」

聞き返した時には時既に遅し…

春架との電話は切れていた。

(…切れてるし…)

携帯をポケットにしまうと、少し考え込んだ。

(…婚約ってどうして? 俺は桜木家から逃げ出した人間だぞ? まだ、俺を利用する気か?)

黙り込んだ俺を不思議に思ったのか、亮が遠慮がちに話しかけてきた。

「留架…大丈夫?」

「へ? あっ…うん…大丈夫。」

驚いて顔を上げると、みんな心配そうにこちらを見ていた。
沈黙が続く中、境が口を開いた。

「春架…ここに来るんでしょ?」

「……うん。 ごめんね、亮。 勝手に呼んじゃって…」

あとの事を考えてずに春架を呼んでしまった事を亮に謝罪すると、亮は優しく微笑んだ。

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