テキストサイズ

恋ばか

第9章 ~婚約~

「大丈夫だよ。 なんか話さなきゃいけない事があったんでしょ? それに、俺も留架の弟に会ってみたいしね。」

「…亮…ありがとう…」

素直に気持ちを伝える。

ちゃんとしたお礼は、今度する事にした。

今は、頭が混乱していてまともに考えられない。

「坊ちゃま。 桜木様の弟様がいらっしゃいました。」

「随分早いね。 わかった。 すぐに行く。」

亮は頷くと俺の手を握ってきた。

「ちょっ、亮!! 手…」

「ん? いいからいいから。 ほら、行こう?」

亮は照れてる俺を無視して玄関まで引っ張って行く。

「あっ!! ちょっと、待てよ!!」

「…仕方ないな…」

後ろから聞こえる境達の声を聞きながら、俺は中庭を後にした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ